あたしの好きな人
「あれー?今日はケバ女いないね?」
「先生がいるからね」
あー…終業式だからか……。
「んじゃあ、あたし意味なくない?!」
「いーの」
「えぇー………」
あ、どーせ『俺といればおまえの価値あがるぞ〜』みたいな感じでしょ?
もー…
「俺が一緒に帰りたいだけだから」
「………………………へ?」
いつもと違って、
真剣な目で言うから……
心臓が大きな音を立てて跳ねた。
「な、なっ!?何言って…」
「かわい〜っ顔真っ赤!」
「うっうるさいぃー!!」
なんだよなんだよ…
びっくりしたじゃんか。
まだドクドクいってる
はぁ~………
真剣に言ったと思えばすぐにいつもみたいに戻って…
稜って本当に分からない。