2ばんめの王子様
「……パンいいや。気持ちだけ受け取っておく。ありがとな」
そう言うと楓は頷き、再びパンを食べだした。
……すげぇ不意打ちだった。
楓のことだし爽馬のこと考えてんのかと思ってた。
だからまさか俺にねぎらいの言葉が来るとは思わなかった。
しかも、あの屈託のない笑顔。
その笑顔を見るだけで悩み事とかどうでもよくなってくる。
ああ、やっぱり俺は。
あの純粋でまっすぐな、眩しい笑顔を持ってるあいつが好きなんだ。