2ばんめの王子様
司会者の一言で、暖かな拍手が二人に贈られた。
皆が笑顔のなか、俺は笑顔になれなかった。
というか、笑顔になる余裕がなかった。
楓。楓。
楓はどこにいる!?
もちろんあの告白は聞いてただろう。
まさかこんな形で失恋してしまうなんて。
泣いていないだろうか。
悲しい思いをしていないだろうか。
暗い観客側をさっきよりも必死に見て楓の姿を探す。
その時ふと、舞台以外に光がこぼれた。
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