2ばんめの王子様
位置からして出入り口。
「────!」
そこから漏れた光で、今体育館から出て行った人物がはっきりと見えた。
『ではこれにて、コンテストは終了といたします!ありがとうございましたーっ!これ以降は写真撮影タイムといたします!』
司会者が言い終わると同時に俺はすぐに舞台から降り、出入り口へと駆け出した。
「隼人!?」
俺の名前を呼ぶ爽馬の声が耳に入った。
他の生徒もどうしたもんだと少しざわついている。
だけど今はそんな事どうでもよかった。
ただただ走った。
「楓……っ!」
今の俺は体育館から出て行った人物──楓のことで頭がいっぱいだった。