2ばんめの王子様




その時ふと、いつかした会話を思い出した。




『屋上ってさ、どんな気分?』


『んー……なんか空広くて、自分がちっぽけになる』


『へぇぇっ。自分がちっぽけかー……いいね!』




なぜ今これを思い出したのかは分からない。


だけど行くあてはもうそこしか残っていなかった。







いやでも……雨降ってるし、さすがに……。


「…………」


……いや。あいつなら。


根拠のない確信に引っ張られ俺は近くの階段を二段飛ばしで駆け上がった。




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