2ばんめの王子様




屋上のドアを開ける。


雨足はさっきよりも強くなっていた。


屋上の真ん中、座り込んでいる背中が目に入った。




あれはどう見ても、間違いなく。


「…………」


濡れるのもお構いなしに一歩、前へ進み出す。


そして座り込んでいる小さな背中に声をかけた。



「何してんだよ、楓」



けれど返事はない。



「……楓」



もう一度名前を呼ぶ。



やはり返事はなかった。




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