2ばんめの王子様
「あ……」
俺しかいなくなった屋上に冷たい風がさらさらと流れる。
その冷たさが冬の始まりを予感させた。
俺は軽く息を吐きながらその場に座った。
空を見上げ、青いなあと当たり前なことを思いながらぼーっと眺める。
だけど思い浮かんでくるのはさっきの女の子の泣きそうな顔だった。
今度は息を大きく吐く。
やっぱり告白を断るのは何回やっても慣れない。
傷つけたくないけど、やんわり断って期待を持たせても余計傷つけるだけだし。
「……ダメだなあ、俺は」
自虐的に薄く笑いながら俺はゆっくりと立ち上がり、屋上を去った。