2ばんめの王子様
「隼人ー?何ぼーっと突っ立てんのー?」
楓が笑いながらこっちを見る。
……なんか、ストンと重たいものが無くなって、体が軽くなったみたいだ。
俺はふっと小さく笑いながら楓の元へ歩き出した。
「いや、なんか見とれてた」
「え?」
「楓が、綺麗に見えて」
「んな……っ」
素直に思ったことを口に出すと、楓の頬が少し赤くなっていったのが分かった。
「え、あ、いやでも今あたし泣いた後だし、綺麗な要素なんてひとつも……」
楓は下を向きながらゴニョゴニョ言葉を発している。