2ばんめの王子様
このように楓から“爽馬君”の話を毎日聞かされる。
その度に俺は、叶わない恋と、敵わない奴との差を嫌でも実感させられることになる。
やっぱ大抵の奴は2番より1番を好きになるもんなのかね。
「……隼人本当は聞いてないでしょー」
「え?聞いてる聞いてる」
「うっそだー!」
「本当だって。“爽馬君”だろ?」
「うん!でね……」
“爽馬君”のことを嬉しそうに話す楓。
……なんで俺はよりにもよって“1番”を好きな奴を好きになってしまったんだろう。
答えのない疑問が、俺の頭の中をずっと支配していた。