適当魔法少女・りおん
決断の時が迫る――。
「りおん、後悔のない様に決めてくれ――突然の事ですまないとは思っているが――」
「――――」
「誰もりおんに強要はしない――自分で考え、自分で決めてくれ――自分が今、何をすべきなのかを――――」
「うーん――どうしてシリアスな場面で、ネタを挟むかなぁ――」
「ぐすん――」
「えっ、どうしたのステッキさん――」
「だってさ、魔法遺伝子を持つ少女なんて、そうはいないよ――やっとの思いでりおんを見つけてさぁ、それなのに、にべもなく断られたらボク、会社に戻れないよぅ――」
「ただでさえ、営業成績がふるわなくて部長から、テメェさっさと契約とってこいよ、このうだつの上がらないダメステッキ野郎がっ――また引き籠りのニート生活に逆戻りするかって、朝礼でなじられる毎日なんです――」
「同じ部の社員からも、オメェの成績が悪いから、オレ達まで連帯責任とか言って反省文書かされるしよぉっ――ったく早く辞めてくんねぇかなぁ圧力が半端なく、女性社員からは、ほらよお茶――雑巾一番搾り味を冷ややかな視線の中、ありがたく飲まされる温かい部署――」