適当魔法少女・りおん

再度、りおんは揺さぶる――――。


「見てませんっ――――年頃の成長過程で、危うさ、儚さ、男のロマンを掻き立てる二つの蕾がちょっぴり残念な感じになってる――とか、そんな風景など見える訳がありません――」


「何か回りくどく言い訳してるけど、結局わたしの胸を見たんでしょっ――んもう、気にしてるのに――」


バスタオルで胸元を隠し、両頬を膨らませるりおん――。


「着替えるから、あっち向いてて――」


見られたものはしょうがない――そんな声で言い、クローゼットの扉を開け、下着、部屋着と衣を纏い、りおんは再びマットレスに腰掛け、ベッドサイドテーブルに置かれた眼鏡をかけた――。




「それで、何と呼べばいいかなぁ――」


待ってましたとばかりに、ありったけ声を低く、ジゴロを気取り、彼は言った――。


「オレの名はアナザー、或いはもうひとつの可能性、オルタナティ」


「あぁ、はいはい、ネタはいいから――」


「ちゃんと最後まで言わせて下さいっ――」


「んぅ、面倒だからわたしが適当に決めてあげる――――じゃあ、ステッキさんで――」


「適当過ぎるわっ――」

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