適当魔法少女・りおん
疎み、理解しないのは、一部のポーター達であろう――。
時代、世代を重ねてゆけば、りおんやもっと「個性的」な魔法少女が誕生しても少しもおかしくはない――ステッキさんの魂に芽生えた素直な想いだった――。
「よく見るんだ、りおん――――あれが敵だ――」
「何処っ――どれっ――」
重い声に、りおんは左右を見回す――。
「うーん、見えないよ――」
「あそこだ――」
ステッキさんは、りおんの左手を誘導し、自身を敵の方向へと指し示した――。
示した方向を辿るりおん――。
「いたっ――」
闇色に蠢く、帯状の物質が波打ち、迫る――。
「何か、グロイね――」
不気味にうねり、呻いているかの様な「声」で迫り、宇宙の空よりも更に「黒い」敵を認識して、りおんが普段使わない表現がこぼれる――。
「うむ、今回はウェーブタイプか――」
「あれは何なの、ステッキさん――」
「りおん、あれは――念だよ――」
「この宇宙全体の、ありとあらゆる概念、現象、想いが複雑に組み合わされ、融合し物質化した、忌むべき敵だ――」