適当魔法少女・りおん
「あれを倒すのが、魔法少女の役目なのね――」
「そうだ――あれは大気圏など関係なく通り抜け、地球上の動植物の意識に影響を与える――そうなったら――――」
ステッキさんは、そこで口をつぐんだ――理由はりおんも理解している――決して良い影響などもたらさない事を――。
あえてステッキさんが言葉を続けなかったのも、その続きを考えさせ、りおんに魔法少女としての覚悟を改めて認識して欲しいとの意図が込められている――。
「幸い、あれはまだ小規模なものだ――初陣のりおんでも倒せる筈だ――」
「で、敵の正式名称って何て言うの――」
「うむ、あれは――ダークエネルギーだ――」
何故か誇らしげに言った――。
「ダーク――」
りおんの瞳が輝く――。
「りおん、そのネタはまだ早い――」
危険を察知し、ステッキさんは牽制を入れる――。
「なんか、平凡――」
ネタを牽制されたりおんが不満げに言う――。
「妙に長ったらしいカタカナ名称と思ったか――しかし、現実はそんなもんだ――敵の名称然り、人生然り――」
「なんか、切ないなぁ――」