適当魔法少女・りおん
「おおーいっ、今はそんな人生論はいいから――」
仕切り直したステッキさん――。
「対ダークエネルギー攻撃シークエンス開始――攻撃魔法起動――」
ヒューンとタービンが回転する様な音を奏で、攻撃体型にステッキさんが移行する――。
「えーっ、わたしは何をすればいいの――」
慌てるりおん――。
「落ち着け――私をダークエネルギーに向け、ステッキの先端に、高エネルギーの球体を形成する事をイメージしろ――」
「元気玉だねっ――みんなの力をオラにわけてくれ、みたいな――」
「う、うぅむ――まぁ、そんなとこだ――」
「わかった――」
りおんは、瞼を閉じてステッキさんの先端部に意識を集中させる――。
パチンコ玉大だった球体が、ゴルフ、野球、バレー、バスケットボールサイズに「成長」するまで、さほど時間を費やさなかった――。
「ここまでとはな――」
対ダークエネルギー攻撃波動型スラッシュ弾は、バスケットボールの倍にまで膨らんでいた――。
「うぉ、重い――」
想定外の重量に、全身で耐えるりおん――。
「堪えろ、りおん――」