適当魔法少女・りおん
実は、「許容範囲」は方便で、ステッキさんは嘘をついていた――。
いわゆる「バイト代」を請求している魔法少女は、りおんだけではない――全体の7割は、ダークエネルギーを倒す対価としてお金を受け取っている――。
基本時給は、個人で差があるが、「非現実的」な労働、命を脅かされる危機、秘匿義務等などの肉体的、精神的負担を考慮すれば、彼女達の要求は至極全うな権利だろう――。
少数派にはなるが、魔法少女としての名誉、誇りを重んじ、「名誉職」を選択する少女も存在する――。
かつては、名誉職の比率が高かったが、歴史、時代の変遷と共に魔法少女の気質も変化して、現在の比率に至っている――。
しかし、ポーター、魔法監理局の立場からすれば、名誉職の比率を増やしたいというのが本音なのだ――。
給与制を否定はしないが、監理局にも予算があり、拠出は最小限に抑えたい――故に、先のステッキさんの名誉職発言に繋がる――。
一応、情に訴え、名誉職に「誘導」する――今となっては、「形骸化」した作業ではある――。
「それと、夜8時から朝7時までは2割増しだよっ――」