のらりくらりと恋を知る
「あ、そうだ。近道しよう」
早く帰りたいがために、見慣れた公園を突っ切る。
いつもは通らない道で新鮮だった。
懐かしいな、ブランコとか滑り台とか…。
昔よく遊んだっけ…。
昔のことを思い出していると、出口方面から一つの影が現れた。
段々と近づき、やっと顔がわかるくらいの距離になる。
ちょっと長めの黒髪に、だるそうな目をした学生。
あの制服は確か、隣の高校のだったかな…?
なんだろう、近づく度に心臓がどきどきする…。
あぁ…っ、凝視しちゃだめ!不信に思われちゃう…!