薬指の約束は社内秘で
密かに私の誕生日パーティーを企画していたお父さんが、駆り出されることになった事件は、いなくなった名門小学校の生徒を探すこと。
それは、葛城さんのことだった。
『黙ってたら、わからないでしょ!』
下唇を噛み締めて黙り込む葛城さんに女教師が声を荒げる。
彼女の持つ懐中電灯の灯りが泣きそうに歪んだ顔を照らした、次の瞬間。
ドクンッと胸が大きく震えて、気づいたら葛城さんを庇うように女教師の前に立っていた。
『この子は悪くないよ! 私が呼んだのっ、一緒にいてって、お願いしたの!!』
何かを必死で堪えるように両手を握りしめる彼を、ただ守りたかった。
いま思えば、子供ながらにそれが私にしか出来ないことだって、分かっていたのかもしれない。
それは、葛城さんのことだった。
『黙ってたら、わからないでしょ!』
下唇を噛み締めて黙り込む葛城さんに女教師が声を荒げる。
彼女の持つ懐中電灯の灯りが泣きそうに歪んだ顔を照らした、次の瞬間。
ドクンッと胸が大きく震えて、気づいたら葛城さんを庇うように女教師の前に立っていた。
『この子は悪くないよ! 私が呼んだのっ、一緒にいてって、お願いしたの!!』
何かを必死で堪えるように両手を握りしめる彼を、ただ守りたかった。
いま思えば、子供ながらにそれが私にしか出来ないことだって、分かっていたのかもしれない。