薬指の約束は社内秘で
F R:葛城 優生
SUB:無題
―――――――
『分かった。仕事頑張ってね♪』って、なんだよ?
まったく、全然、分かってないよな。


目を疑う文面に思わず、「は?」と一人しかいない部屋に大きな声が零れる。

こっちは会いたい気持ちを必死に隠してるのに……

気持ちを逆なでするかのような意味不明な文面に会えない寂しさと苛立ちが募ったところに、メール着信音が再び響き渡る。


F R:葛城 優生
SUB:無題
―――――――
はぁ――。俺はいま、深く溜息をついた。



「もうっ、意味分かんない!」

――っていうか、メールでため息とかつきますか!?

意味の分からないメールが2通も届いたら、寂しさが積もりに積もって怒りに変わるってもんで、そのままの勢いでスマホの電源をOFFにしてベッドに叩きつけた。

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