薬指の約束は社内秘で
「いえ。大丈夫ですからっ」
「でも、心配だなぁ」
顔を寄せてきたその人からは鼻をつくお酒の匂いがする。
苦笑いを浮かべて壁側に逃げようとすると、肩を掴む手に力が入りビクッと体を震わせた、そのとき。
「心配なら俺がするから、まずはその手を離せよ」
少し離れた所から届いた低い声に振り返る。
鋭い瞳でこちらに駆け寄ってきたスーツ姿の人物に、目を見張った。
「優生。どう……して?」
彼は問いかけに答えることなく目を泳がせる彼の手を払いのけると、私の体を右腕で引き寄せる。固い胸板から伝わる心音がいつもより煩く感じた。
「でも、心配だなぁ」
顔を寄せてきたその人からは鼻をつくお酒の匂いがする。
苦笑いを浮かべて壁側に逃げようとすると、肩を掴む手に力が入りビクッと体を震わせた、そのとき。
「心配なら俺がするから、まずはその手を離せよ」
少し離れた所から届いた低い声に振り返る。
鋭い瞳でこちらに駆け寄ってきたスーツ姿の人物に、目を見張った。
「優生。どう……して?」
彼は問いかけに答えることなく目を泳がせる彼の手を払いのけると、私の体を右腕で引き寄せる。固い胸板から伝わる心音がいつもより煩く感じた。