薬指の約束は社内秘で
そんな松田課長の本日の井出達は、濃紺V字のサマーニットにジーンズというラフなもの。
V字からわずかに覗くグレーのインナーがセンスの良さを感じさせる。
スラリと伸びた長い足は、なんともまぁ日本人離れで、羨ましく思ってしまう。
たった10日でずいぶん変わりましたね、課長。ダンディエステにでも行かれましたか?
いや、違うって。しっかりしろ、私!
「な――んで葛城さんが、ここに!?」
松田課長の背後を横切った人物に、声が思いっきり裏返る。ゲホゲホッと激しく咳き込んだ。
あまりにも場違いな彼の登場に、愛され熊キャラ松田課長が不愛想地蔵に変身したかと、一瞬思考がおかしくなった。でも松田課長の後ろを無表情で横切ったのは、間違えようもなく葛城さんだった。
(そう、服のセンスのうんぬんも彼のことだ)
「とりあえず積もる話は、後でゆっくりとな」
背後でざわつく女子達に松田課長はにっこり微笑む。みんなその言葉に従って「おじゃまします」と声を揃えた。
V字からわずかに覗くグレーのインナーがセンスの良さを感じさせる。
スラリと伸びた長い足は、なんともまぁ日本人離れで、羨ましく思ってしまう。
たった10日でずいぶん変わりましたね、課長。ダンディエステにでも行かれましたか?
いや、違うって。しっかりしろ、私!
「な――んで葛城さんが、ここに!?」
松田課長の背後を横切った人物に、声が思いっきり裏返る。ゲホゲホッと激しく咳き込んだ。
あまりにも場違いな彼の登場に、愛され熊キャラ松田課長が不愛想地蔵に変身したかと、一瞬思考がおかしくなった。でも松田課長の後ろを無表情で横切ったのは、間違えようもなく葛城さんだった。
(そう、服のセンスのうんぬんも彼のことだ)
「とりあえず積もる話は、後でゆっくりとな」
背後でざわつく女子達に松田課長はにっこり微笑む。みんなその言葉に従って「おじゃまします」と声を揃えた。