君色ノート。

***

学校についた私たちは急いで学校へ走って行った。

なんとか走って玄関まで入れた私たちは、

いっきに登校してきた生徒たちからの視線が集まった。

そりゃあ、そうだよね。

こんなに勢いよく登校してきたらね...。


「ハァ...ハァ...」


体力が尽きてしまった私はその場で腰を落としてしまった。


「ハハハハ!!。セ...セーフだな...!!」

「うん! あ!!ありがとう...ございました!!」


ペコリペコリと頭を下げる私に

少し驚いたように


「ううん!!いいって!いいって!そういえばさお前の名前!!」


あ!本当だ! あまりにもいきなり現れた彼に驚いてて、

私の名前を名乗るのを忘れてしまってた。


「えっと、今日から入学することになりました。逢沢ゆりです。よろしくお願いします。」


少し息が切れながらも自己紹介をした私に少し驚いている。


「え!!お前も"逢沢"ってゆーの?一緒じゃん!!よろしく!俺の事は何でも好きなように呼んで!」


あ!!本当だ!!私ったら...。

はい。今更、苗字が一緒だと気づきました。

あーダメだなー。やっぱり。こういうところが馬鹿とかドジとか言われちゃうんだよね。

心の中でぶつぶつ言ってると少し不思議そうに私を見つめているのに気づき、


「あ!!うん!! じゃあ、私の事も好きなように呼んでください!!」


そういうと彼は少し考えた様子で


「じゃあ!ゆり!ゆりって呼ぶわ!!」


ゆ...ゆり!?

わわわ!初めてだよ...男の子に下の名前で呼ばれるの...。

なんて緊張している私は本当に恋愛経験のなさがこみあげてきて悲しくなってくる。



- 『おはようございます。全生徒にお知らせします。ただ今から平成30年度入学式を行います。今すぐ生徒は準備してください。』 -



入学式始まりを合図するアナウンスが鳴りはじめた。



「あ!教室に行かなきゃ!」

「ほんとだな! 行こう!」


小走りで自分たちの新クラスに向かう私たち。

ああ。もう逢沢君とはもう話す機会とかなくなるんだろーなー。

とか思っているとあっという間に教室のドアの前へ。


「じゃあ..私このクラスなんで...失礼します。あの..本当に今日はありがとうございました。!」


軽く1度頭を下げペコリとするとツッコミのように


「え!?ちょ!俺もここなんだけど!? 1年A組」


...え? 今なんて言いました?

私の空耳でしょうか..。いやでも確かに1年A組って...。


「「えええええ!!!!」」


驚きすぎた私たちだったけど、急いで教室へ入った。

そして、軽く朝礼が始まった。

いや...そんなことはどうでもいいのですが...なんと。私。逢沢君の隣りなのです。

いや。嬉しい。しらない男の子とかだと全然話せないし...


「ゆりが隣りでよかった~!!よろしくな!!」


なんてドキッとくる言葉を普通に振り掛けてきた逢沢君に私は少し照れたように


「私も嬉しい!よろしくね」


そんな感じで入学式が開始されたわけなんだけど、

全然耳に入ってこない校長先生の言葉。

大事な式典の中でも私は、逢沢君の事を考えていた__。

< 4 / 6 >

この作品をシェア

pagetop