君色ノート。

*下校


***


ひと気もあまりなくなって夕日はきれいなオレンジ色。



「そういえばさ~遅刻したのによく間に合ったね?」



あ!そっか、彩香ちゃんは知らないんだ。



「あのね、行く途中に逢沢君っていう子に自転車一緒に乗せてもらってなんとか...はは」



すると目をパチクリさせて

驚いたような彩香ちゃん。



「どぅぇぇぇええ!?逢沢ってあの逢沢竜太!?」



なんで驚いているのかさっぱりな私は小さくうなずく。



「ゆり!!逢沢って中学生の時かなりの人気者で、女子からもすっごいモテててた奴じゃん!すごいよ! ゆり!!」



まったく、知らなかった私はへ~とうなずく。



「へ~じゃないよ!!で!?で!?どうだったのよ!逢沢竜太!」

「何って...普通に身長が高くて、モデルっぽくて普通に恰好よかったよ...あ...普通じゃないか..ははは」

「へ~!!見てみたいわ♬ 逢沢竜太!!」



思い出してみると、すごく整った顔だったな~とか思ってみたりして...



「でも、すごく爽やかだった。なんというか...見惚れてしまうっていうか...」


すると目を細くさせにやにやとした彩香ちゃん。

え...怖いよ...彩香ちゃん...。



「な...なななにッ!?」

「っほっほ~、ゆり!あんた逢沢に惚れたわね??」



....


「ななな、なななないないないないない!!!」


顏と手をブンブンさせて否定するも通じるわけなし。

それでもにやにやと不気味な彩香ちゃん...。



「彩香様...不気味で....」

「ゆりッー!!」

「は、はははい!!」


言い切ろうしたとき叫ばれた。

通りすがりの人からの視線が...



「逢沢と自転車に乗って学校に来て、ゆりどう思った??」

「どうって...普通にいい人だな~って...」



考えながら話す私にん~と顏した彩香ちゃん。



「ほんっと~にそれだけ??」

「それだけって...それだけだよ..??」

「ううわ、あんたってやつは...本当珍しい奴だわ...」



飽きれたように歩いて行った。

ええ?

なんか私変なこと言ったかな...。



「でもね!!逢沢君、私たちと一緒のA組だよ!?」

「うそ!?まぢで! ...気づかなかった...くそぉおお!!明日こそ目に焼き付けてくるぞ!!」

「はははは...」



張り切って子供っぽい彩香ちゃん。

見た目は美人で大人びてるけとたまに子供っぽくて可愛いところもあるだよね。



「ふふ...彩香ちゃん!!」

「ん??」


数メートル先にいる彩香ちゃん。


「学校楽しくなるかな??」

「なるよ。きっと!!A組結構おもしー人ばっかだし♬」

「そうだよね!!」






そういって語った高校デビュー1日目の帰り道。

今日はいろいろあったけど、楽しかった!


明日から楽しい日々が続くといいな...♬

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