〜双子の憂鬱〜
過去を精算
その1
ゆっくりと時間が流れる。
1時間くらい話しただろうか。
何故だかおかみさん・・・三津谷多恵には心の中を曝け出して全てを話せていた。
ゆっくりと頷く多恵は、話に口を挟む事無く。
聞き終わるなり由有の背中を優しく撫でた。
「若槻さん・・・由有さん、我慢ばっかしてたんやね。
わかった、この街選んでくれたんやもん、ウチが出来ることなら何でも協力するよ。
ウチの同級生が不動産屋で働いとってね、声かけるから条件とかあったら紙に書いとってね。」
そう言って先ほど部屋を出ていったのだ。