〜双子の憂鬱〜
「由有の好きな様に呼べばいい。」
先に視線を外したのは大河内の方だった。
「じゃあ。・・・大吾さん。」
照れ臭くて小さな声になってしまった。
・・・呼んだよ、遂に呼んじゃった。
離れようとしていた彼の背中がピクリと止まる。
何か照れくさ過ぎる。
翔太は何の照れもなく呼べたのに。
どうして大河内は呼びにくいのだろう。
「な、なんか照れ臭いですね。」
恥ずかしい様な嬉しいような、むず痒さが胸に生まれる。
なんだろう、これ。