〜双子の憂鬱〜

「結婚・・・」


大河内はボソリと言う。

失恋したんだろうとは思っていた。
まさか、こんな形だったとは。


双子の間になにがあったのだろう。


芯の強そうな由有が眉を下げ自嘲気味に笑う。


「だから逃げたんです。
やり直したくて・・・変わりたくて。
でも、結局同じままなんですけどね。」

コーヒーを一口飲んでから、笑顔を見せた。


「ちなみに誕生日は12月24日。趣味は料理、右利きです。
他にはありますか?
あ、付き合った人の数はゼロ。お陰様で絶滅危惧種な処女です。」


そんな事を言うべきじゃないのは分かっていた。


だけど、重くなったこの雰囲気をなんとかしたくて茶化すように口にした。


大河内の眉間に皺が寄る。

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