〜双子の憂鬱〜
「・・・な、何だったの・・・」
台風だわ。
この際、ゲリラ豪雨でもいい。
さっと来てパッと過ぎる。
「・・・すまん。毎回なんだ。」
ゲンナリした顔の大河内が小さく吐き出した、弱音だった。
「大丈夫よ、今回はあたしが居るから。頑張るから不安そうな顔、しないで。」
そっと頬に手を寄せる。
角張ったラインの顎に滑らせて、パタリと手を落とす。
何やってるんだろう。
そう思う自分も居るわけで。
もういっそのこと本当の婚約者にして欲しいと懇願したかった。