〜双子の憂鬱〜
「由有」
いきなり名前を呼ばれて飛び上がる程驚く。
振り向くとそこに、優しく笑う二宮が居た。
「陸・・・」
差し出された傘の中、何も言えなくて俯く由有に、二宮は問いかける。
「大吾と何かあった?」
「・・・っ」
ズバッと指摘されて何も言えなくなる。
言葉に詰まって俯くしか出来ない。
「大吾から連絡あってさ、探してた。
うちにおいで?俺のとこなら安心でしょ?」
そう言って笑う彼の優しさが嬉しかった。
「大吾が心配してる。連絡するよ?」
「それは嫌!」
即答したら、陸が驚いた顔をした。
「何故?大吾から何か言われた?
それとも何かされた??」
もう、一緒にいられない。
あんな風に突き放したのは自分だから。