〜双子の憂鬱〜
告白
その1
多恵の所にお邪魔して。
部屋にお茶を運んで来た彼女がクスクス笑いながら由有にこっそりと告げていった。
「思ったより似てないのね。」
そうなのかしら。
似てない?
そう思うのはあたしだけなの?
「ごめん、怒鳴ったりして・・・。
ずっと実有が心配してて体調崩したりして大変だったから、ついカーッとなって・・・。」
「あ、うん、分かってる。」
真っ直ぐ前を見ることが出来ない。
落ち着かなくて走って逃げ出してしまいたい。
「・・・ところで、そちらは?」
翔太が訝しげに大吾を見てそう尋ねてきた。
「あ、失礼いたしました。私は由有さんの婚約者で大河内 大吾と申します。」
スッと差し出された名刺。
それを驚くような表情で翔太は受け取った。
「あぁ、この前の電話の・・・。婚約者?え?社長さんと??
由有、本当か?」
こちらを見て更に眉間に皺を寄せる翔太。
「由有ちゃん・・・さっきの、ほんとう?
ずっと翔太の事好きだったって、ほんとうなの??」
黙ったままだった実有がようやく口を開いた。
蚊の鳴くような声で上目遣いで、いつものかわい子ぶりっこの仕草だ。
「実有・・・」
「本当だよ。それで逃げるようにしてここに来た。
そして俺と出会ったんだ。」
答えに詰まる由有の代わりに大吾がそう答えた。
部屋にお茶を運んで来た彼女がクスクス笑いながら由有にこっそりと告げていった。
「思ったより似てないのね。」
そうなのかしら。
似てない?
そう思うのはあたしだけなの?
「ごめん、怒鳴ったりして・・・。
ずっと実有が心配してて体調崩したりして大変だったから、ついカーッとなって・・・。」
「あ、うん、分かってる。」
真っ直ぐ前を見ることが出来ない。
落ち着かなくて走って逃げ出してしまいたい。
「・・・ところで、そちらは?」
翔太が訝しげに大吾を見てそう尋ねてきた。
「あ、失礼いたしました。私は由有さんの婚約者で大河内 大吾と申します。」
スッと差し出された名刺。
それを驚くような表情で翔太は受け取った。
「あぁ、この前の電話の・・・。婚約者?え?社長さんと??
由有、本当か?」
こちらを見て更に眉間に皺を寄せる翔太。
「由有ちゃん・・・さっきの、ほんとう?
ずっと翔太の事好きだったって、ほんとうなの??」
黙ったままだった実有がようやく口を開いた。
蚊の鳴くような声で上目遣いで、いつものかわい子ぶりっこの仕草だ。
「実有・・・」
「本当だよ。それで逃げるようにしてここに来た。
そして俺と出会ったんだ。」
答えに詰まる由有の代わりに大吾がそう答えた。