〜双子の憂鬱〜
「田辺!」
「あ!!!はいっ!!!!」
田辺は慌てふためいて引き出しからキーホルダーのついた鍵を取り出し、大河内に差し出す。
「さしずめ働きグチも探すってとこだろ。
家事出来るか?」
今しがた受け取ったばかりの鍵を由有の掌に押し付けながら、大河内が問う。
「家事…普通に出来ますが。それが…何か?」
「仕事もついでに斡旋してやる。家政婦だ。報酬は家賃、光熱費、食費なんかを差っ引いてから計算する。どうだ?」
…ニコリともせず、淡々とそういう大河内に呆気にとられる。