〜双子の憂鬱〜
「俺の顔がそんなに珍しいか?」
低い声がした。
抑揚があまり無い、事務的な声に一瞬だけ緊張する。
「珍しい…?」
由有がそう聞き返すと、大河内は小さくため息を着いた。
「観察してるから、珍しいのかと思ったんだが。」
…そんなにジロジロ見ちゃってたかしら。
失礼なことしちゃったかな。
「珍しいとかじゃなくて…何だか日本人離れしてるなぁって…ごめんなさい、失礼ですよね。」
何とか言い訳をしようとして、返って失礼な発言をしてしまう。