〜双子の憂鬱〜


「ならいいんやけど…」

不安そうな多恵を見て、由有は笑う。

「大丈夫よ?ごめんね、心配してくれてありがとう。」

何故こんなにも自分を心配してくれるんだろう。
でも有難い。
必要とされているような気がして、安心出来た。


「大河内さんとお付き合いすることにでもなったんかと思ったんよ。」


由有は思わず吹き出した。

「ないないない!初対面だよ、あり得ない!」

確かにいい男ではあるけれども。


「お似合いなんやけどなぁ、ふたり。ま、そんなんはゆっくりでいっか!
なんかもう、ウチ、由有さんが昔からの友達みたいに感じてねぇ。
お節介でごめんね!」



多恵の言葉に胸がジンとした。


< 31 / 168 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop