〜双子の憂鬱〜
「ね、由有さんて幾つ?」
「また聞かれたわ。28よ。大河内さんには意外と年食ってるって言われたけど。」
「あら、失礼な奴!
じゃあウチと同い年よ。益々親近感わくわー!仲良くしてね、由有さん。」
屈託無く笑う多恵の笑顔が眩しかった。
彼女は由有にはないものをたくさん持っている。
家族。
愛情。
愛する人…。
翔太、少しは焦ってるかな。
まだ胸の奥が痛む。
その存在が消えるのはいつだろう。
痛みが癒えるのはいつだろう…。
次の恋、出来るかな…。