〜双子の憂鬱〜

現れたのはこの家の主。

「来てたのか。」

「あら、起きちゃったんですね。おはようございます。」

そう答えたら、大河内が妙な顔をした。


あれ、なんかおかしな事言ったかしら。


「なんか…雰囲気が違うな…」


真っ直ぐに由有を見つめて不思議そうな顔をする。


「そうやってると男に捨てられてこんな田舎町にやって来た都会の女には見えないな。」


…何を言うかと思えば。


「捨てられた訳じゃないです。あたしが捨てたんです。だいたい都会の女って何なんですか。」



何かにつけ、由有に対し嫌味とも取れる発言をする大河内。

何と無くトゲを感じるものの、由有はさして気にも留めなかった。


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