〜双子の憂鬱〜


「で、携帯。
連絡先知らないままだとやりにくいから、教えたくないかもしれないが登録させてくれ。」

そう言われてハタと気付く。


「携帯持ってない…解約しちゃったんだった。」


言われるまで何も気にならなかった。
普段から特に必要としなかった。
連絡は翔太がほとんど。
だから、解約したのだけど。


「じゃあなるべく早く持つようにしてくれ。」

上着のポケットから名刺を取り出し何かを書きながら大河内は淡々と言う。

「俺のプライベートの携帯番号だ。契約したらここに連絡してくれ。その番号を登録するから。」

手渡された名刺を眺める。


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