〜双子の憂鬱〜
「・・・いただきます。」
ムスッとしながらも、彼はそれを口にした。
(大河内さんがフォーク持つと、フォークが小さく見えるわ。)
身体が大きな大河内。
もちろん、手も足も大きい。
「ん?甘いな、コレ。」
咀嚼しながら不思議そうに尋ねてくる彼の表情が柔らかくなったのに、由有は内心ほくそ笑む。
「そりゃそうですよ。フレンチトーストなんですから。」
向かい側に座り、同じものを食べる。
うん、なかなか上出来。
「初めて食った。・・・美味いな、これ。なんだっけ?フレ?」
首を傾げる大男が不覚にも可愛く見えた。
「フレンチトーストです。
たまには違うものをつまみ食いするのもいいでしょう?」
料理は割と得意だ。
元々好きだったのもあり、学生時代にバイトをしたのも小料理屋だった。