〜双子の憂鬱〜
「由有には驚かされるな。」
忙しい彼は毎日コンビニ弁当や外食生活だったと言う。
今は可能な限り、お昼にはお弁当を持たせている。
「何がですか。」
食後のコーヒーを啜りながら、大河内は言う。
「何でもパーフェクトにこなす。
最初は出来ないと思ってたことも、いつの間にか出来る様になってるだろ。」
・・・えー。それはつまり。
「可愛げないですよね、女として。」
トゲを感じたのではなく、自分が嫌になったからの発言だ。
「いや。俺は寧ろ感心してる。向上心があるってことだろ。」
目線は新聞だけど。
・・・見つけた。
頬がほんのり赤い。
「ありがとうございます。でも、照れながら言わないでくださいね。
あたしまで照れ臭くなりますから。」
そんな可愛げ無い言い方しか出来ない。
でも、そんな言葉に大河内は更に顔を赤くして新聞で隠した。