〜双子の憂鬱〜
そのあと、大河内はなかなか帰ってこなかった。
不安というか心配になり、メールを送る。
《ごめんなさい、嫌とかじゃないんです。》
そう送るとすぐに返事が返って来た。
《頭を冷やしてくる。昼までには帰る》
そう返事があったきり、何度メールをしても返事が返って来ることはなかった。
マズい。
怒らせたかもしれない。
優しさで言ってくれたことを、勝手に勘違いして。
無言で彼を拒否した。
あぁ、なんてサイテーな女なんだろう。
どうして大河内には今までのような【出来る女】の自分で居られないんだろう。
感情をコントロール出来ないなんて、過去になかった由有は、自分をどうしたらいいのか分からず悩む。
「あ、そうだ。」
思いつき、スマホを手に取り多恵にメールを送る。
数分後、返事を読んだ由有は出かける支度をしていた。