〜双子の憂鬱〜
「あははは!由有ちゃん、それって大河内さんを意識してるってことやん!」
多恵から背中をバシバシ叩かれた。
「え⁉︎意識⁉︎」
言われた言葉にいちいち動揺するなんて。
こんな経験、なかったもの。
「もう、素直になったらええのに。
お似合いよ、ふたり。」
多恵の言葉に返す言葉が見つからない。
「好きって気持ちはさ、相手に通じるか通じないかは別として持っていていいものでしょ?
大河内さんがどう思うかは知らんけど、由有さんがあの人を好きって思うんは個人の自由よ?」
ウインクひとつ、多恵は微笑む。
好きって気持ちは個人の自由、かぁ。
そういう考え方もあるんだな。