〜双子の憂鬱〜
女なんて面倒臭い〜大河内side〜
気になる目
目がキツい女。
若槻 由有という、洗練された都会の女を初めて見た時にそう思った。
自分が経営している不動産会社に訪れた客だったわけだが、何故か見た瞬間、不思議な気持ちになった。
大きな目で真っ直ぐこちらを見て、物怖じしない、凛とした立ち姿。
ふわふわとしたやや長めの髪を揺らし、俺を見て訝しそうに眉を寄せる。
頭の先から指の先まで隙のない、完成度の高い、人形。
最初はそう思った。