〜双子の憂鬱〜
本気で付き合った女もいたが、結果、俺の付属品目当てだったと分かりすぐさま切り捨てた。
そんな事になっても、痛くも痒くもない自分が居て。
あぁ、俺は本気だと言いながらその実、ひとつも本気で愛してなどいなかったんだと後悔した。
そんな男に、一生ついてくる女なんかいやしない。
だから、愛だの恋だのと浮かれることなく気付けば35を過ぎていた。
そして出会ったのが、彼女・由有だった。
俺の周りには居ない、媚びへつらうことない気の強いしっかりした女。
・・・だと思っていたんだが。
どうやら、違うんだということに気付いた。