〜双子の憂鬱〜
弱さは強さ
「また、いきなり大胆な行動にでましたね。」
「・・・そうか?」
秘書の田辺につい愚痴る。
由有と一緒に生活し始めて、数ヶ月。
いつもキッチリと家事をこなす彼女に息抜きも兼ねて、たまには何処かに連れて行ってやろうと忙しい中折り合いをつけて休みを取ったのだが。
「そんな急に態度を変えたら、若槻さんも驚いてそんな態度になりますよ。」
出かけよう、と言った俺に対し由有は黙ったまま部屋に駆け込み鍵を閉めてしまった。
途方に暮れた俺はこのままウチにいると由有が辛いのでは、と気を使い、不動産会社へと出向き仕事をするでもなく田辺にぶつくさ文句を言っていた。