〜双子の憂鬱〜


「ひとりの男として、言わせていただきますけど。

社長、怖すぎますって。
若槻さんと一緒にいるようになってからだいぶ柔らかくなりましたけど。

むすっとしてるだけでかなり怖いですから。
若槻さんもよく我慢してるなっ、イテッ!」


聞いていたら頭を叩きたくなってきたので、軽く一発お見舞いした。


「由有には可愛いとか言われたぞ。」

「はぁ⁉︎」


目の前で仰け反る田辺を睨みつける。

「いやぁ、いくらなんでも可愛くはないでしょ。若槻さん、目が悪いのかな。」


「さぁな。」

いちいち突っかかる奴だな。

「せっかく休みなんですから、帰って仲直りしてくださいよ。邪魔ですから。」

「邪魔で悪かったな。
・・・帰って謝るよ。」


立ち上がる俺をため息つきながら見上げた田辺ははいはい、と追い出すように手を振った。


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