〜双子の憂鬱〜
「あーー、、、それは良いんだが。
・・・ただいまくらい、言わせろ。」
正直ホッとしていた。
由有の言葉が、拒否でないことに安堵していた。
「ご、ごめんなさいっ」
最初は人形のように思っていた由有。
感情が豊かで見ていて飽きない、そんな存在になっていた。
「今から出かけれるか?」
靴を脱ごうとしてやめた。
このまま、何処かに行こう。
そう、誘うように右手を差し出した。
そこに・・・重なる華奢な手。
「はいっ」
はにかんで答えた由有の顔を見て。
心がドクン、と音を立てた。