〜双子の憂鬱〜
その2
「二宮さんとは仲良かったんですか?」
帰りの車内。大河内が何も喋らないので、沈黙が痛い。
何か話さなくては、と無理矢理会話を作る。
・・・が。
大河内は答えなかった。
何かに腹を立てているのだろうか。
眉間に寄った皺が、いつもより深かったのだ。
「・・・食べ過ぎ、ですよね。すみません・・・あの、支払い」
「かまわん。」
由有の言葉を遮り、大河内は会話をピシャリと止める。
(やっぱり、怒ってるんだ。)
支払い、ワリカンにしてもらおう。
ひとりバクバクと食べ過ぎたし。
今はタイミング悪いから、夜にでもちゃんと言おう。
そう、考えていた。
ふと。
周りの景色が変わり、見覚えのない風景になる。