〜双子の憂鬱〜

どこだろう。

綺麗な海岸線。
真っ青な海。真っ直ぐに伸びる道。


潮の香り、するかな。


ふとそう思い、パワーウインドウのボタンを押す。


少しだけ開いた窓から、ツンと潮の香りがした。


海だ・・・。


ボンヤリと眺めていたら、車は人がほとんどいないパーキングへと入る。



「少しだけ・・・寄り道してから帰る。」


そう、ボソッと話す彼は、やっぱり眉間に皺が寄ったままだった。
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