〜双子の憂鬱〜
彼はなおも続ける。
「由有を見た時、あいつの表情が変わったんだ。
・・・いいんじゃないか?あいつはお勧めだぞ。優しいしな。」
・・・何それ。
大河内の言葉にカチンとくる。
何それ。あたしに彼と恋愛をしろっていうの?
「忘れたいって言ってただろ?
いい機会なんじゃないか???」
何なんだろう。
この苛立ち。
歯痒さ。
ムカムカしてくる。
繋いでいた手を振り払う様にして離す。
大河内は驚いた顔をした。
由有の瞳から、一粒、涙が落ちたから。