〜双子の憂鬱〜
「馬鹿にしないで。
翔太を忘れたいとは言ったわ。
けど・・・けど、誰でも良いわけじゃ無いのよ!」
睨む様に大河内を見る。
誰でも良いならこの街に逃げて来る様なことはしない。
「ゆ、、、う。」
彼の唇が名前を呟く。
トクン、とまた、胸が鳴る。
「二宮さんはあたしを見てるんじゃ無いわ。あなたを・・・大河内さんを取られたくないのよ。だから、あたしに近付こうとした。それくらい分かるわよ。」
そう言って背中を向ける。
誰でもいいからと充てがわれる様にして紹介なんかして欲しく無い。
・・・違う。
貴方に。
誰かをお勧めだと言われたくないのだ。