〜双子の憂鬱〜
翔太を忘れたい。
毎日そう思っていた。
だが、どうだろう。
この街に来て、どれくらい翔太のことを考えていただろうか。
毎日が楽しくて。
毎日が充実していて。
友達が増え、心に余裕が出来、今の自分はよく笑う様になった気がする。
そうして。
翔太のことをこうやって思い出しても、胸が痛まない自分がいる。
なのに、何故。
大河内のことを思うと、こんなに苦しくなるのだろう。
もう、認めなくちゃいけないのかもしれない。
いや、半分以上認めてる様なものだ。
この気持ち。
この感情が何なのかを。