〜双子の憂鬱〜
同気相求む?
その1
自分の感情がハッキリとしたら、胸の中にあった苦しいとか辛いとか、マイナスな感情が消えた。
その代わり。
ああもう、どうしよう。
とか。
きゃあ!
なんていう、口に出せない恋愛感情が渦を巻いて飲み込まれそうになる。
あたし、こんなだったっけ?
翔太を好きで好きでしょうがなかった頃、こんな感じだった???
「由有ちゃん、どうしたん?」
ハッと我に返り、目の前で不思議かつ企んだような微妙な笑顔の多恵を見る。
「ごめん。チョット・・・」
「また、大河内さんの事でも考えとったんやろ〜?」
からかうように多恵が言う。
ひとり、心の中で悩むのが辛くて。
感情に気付いた時直ぐに多恵に相談したのだ。
「もう・・・由有ちゃんが好きーって思ってるの、ウチでも分かるのに。
なんで気付かないかな、あのニブチン男は。」
ぷうっとふくれっ面になる多恵が可愛い。
いいなぁ。
こういう可愛さがあったらよかったのに。
「可愛げ無いからね、あたし。
向こうからしたら、今までとなんにも変わらないと思ってるはずよ。」
残念過ぎて泣きたくなる。
強がりばかりで甘えてこなかったから。
こんな時、どうしたらいいかわからずに、ツンとした態度しかとれないのだ。