〜双子の憂鬱〜
「いっそのこと、ウチを別にしようかなぁ。」
なかなか帰ってこないから、留守ばかりだから、と言っていたのに。
毎日居て。
毎日おはようとお休みを言えるなんて。
笑顔が見れて、無防備な姿を知れて。
幸せな筈なのに、辛い。
「大河内さん、絶対由有ちゃんを好きやと思う。その・・・レストランの人?の話だって、ヤキモチじゃん?」
多恵がジッと見ているのは、今、由有が手にしている名刺。
二宮のもの。
「彼と恋愛しろって言われたのよ?
好きなんかじゃ無いわよ。」
言いながら寂しい気持ちが溢れる。